テクニカル分析とは?テクニカルトレード初心者向けに基本中の基本から実践的な知識まで解説

こんにちは、株識編集部の前田です!

今回はトレード初心者のために、短~中期の株トレードで利益を上げるのに役立つ、テクニカル分析について紹介します。

投資における分析の定義から、チャートの見方といった基本中の基本、さらにはテクニカル指標などの実践的な知識までを順序立ててお送りするので、ぜひ最後まで読んでみてください。

そうすれば、テクニカル分析を使ったトレードで利益を上げるための足がかりや、次に何をすれば良いのか、何を学べばいいのかがわかるはずです。

記事の具体的な流れはこんな感じです。

  • 投資における分析とは?
  • テクニカル分析の特徴やメリット・デメリット
  • チャート、ローソク足、出来高の基本的な知識
  • 代表的なテクニカル指標の見方や使い方といった実践的な知識
  • テクニカル分析を使った大まかな取引の流れ
  • テクニカル分析をより深く体系的に学ぶ方法

一通り読めば、すぐ利益が出せるようになるとは言わないまでも、テクニカル分析ド素人が卒業できる内容になっていることは保証します。

少々長い記事になると思いますが、トレードで稼ぎたいけど何から学べば良いのかわからないという人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

そもそも「分析」とは?

テクニカル分析について書く前に、投資における分析の考え方から見ていきましょう。

そもそも「分析とはなにか?」ということなのですが、投資やトレードにおける分析とは、「ある投資対象が持つ値動きや業績といった様々な材料を見て、投資対象が現在どのような状態にあるかを知ること」と言えます。

投資初心者は「分析すれば正確な予想ができる」と思いがちなのですが、分析したからといって、相場が正確に予想できるわけではありません。

あくまでも、投資対象を分析してわかるのは、”現在”がどうなっているかです。

例えば、あなたが短期売買を専門にするトレーダーで、「分析によると、下落相場が終わる局面のようだ」という結果が得られたとします。

その場合、「反転の動きが見られたら買い注文をいれよう。持ち合い相場に入ったらもう少し様子を見よう」という行動を取ると思います。

少なくとも、分析結果が下落相場が終わる局面なのを示しているのに、売り注文を入れようとはしないはずです。

このように、現在がわかれば、そのあとの行動パターンを絞り込めます。それが分析をすることの意味です。

さて、以上の説明で、分析とは「現在を知る」ということがわかったと同時に、分析をすることの目的もわかりました。分析の目的とは、すなわち、行動の根拠を得ることです。

根拠がなくても取引はできますが、それだと投資やトレードとはいえません。そのような行為は、「ギャンブル」と言います。

テクニカル分析を使った取引で勝ち、稼ぎ続けていくためには、分析力を身につけることが必要不可欠なのです。

テクニカル分析とは?

前置きが長くなりましたが、ここでテクニカル分析について見ていきましょう。

テクニカル分析とは、ある投資対象の過去の値動きや取引量といった、数的な情報を材料にする分析方法のことです。

よくテクニカル分析の引き合いに出される分析方法に「ファンダメンタルズ分析」があり、両方を併用する投資家もいれば、「テクニカル分析しか使わない」という投資家もいます。

ファンダメンタルズ分析とは?企業の経営状態や国の政策といった材料を元に、投資対象の本質的な価値を分析する方法。

例えば、当サイトで紹介したこともある「酒田五法」はテクニカル分析の一つです。

酒田五法の場合は、ローソク足チャート(過去の値動きを表したグラフ)の幾何学的パターンによって相場を分析する手法になりますが、数値を方程式に代入して(計算は自動で行われます)独自のグラフを生成し、それを見て相場を分析する手法などもあります。

テクニカル分析の特徴

テクニカル分析の最大の特徴は、一連の分析がすべて取引画面上だけで完結することです。

例えばファンダメンタルズ分析では、チャートだけでなく企業の経営状態や経済指標などもチェックしなければいけませんし、投資対象によって材料にすべき情報が全く異なってくる場合もあります。

それに対して、テクニカル分析は基本的なやり方がほとんど変わりません。投資対象が株でも、外貨でも、最近流行りの仮想通貨でも、とにかく価格変動がチャートで表せさえすればテクニカル分析は通用するのです。

また、取引画面さえあればということは、PCの前に座ってれば取引が可能というだけではなく、外出先でも、スマホやタブレットさえあれば手軽に取引が可能ということになります。

テクニカル分析の3つのメリット

テクニカル分析の大まかなことがわかったところで、ここからはメリットとデメリットについて見ていきましょう。まず、テクニカル分析にはこのような3つのメリットがあります。

  • 分析はチャートを見るだけ良い
  • 短~中期の取引に向く
  • 分析力次第で予測の精度を上げられる

それぞれについて、詳しく書いてみます。

1. 分析はチャートを見るだけで良い

先ほど特徴について解説したように、テクニカル分析は取引画面だけで完結します。

つまり、取引でテクニカル分析しか使う予定がないなら、経済の専門知識の深さは、あまり問題になりません。とりあえずチャートの見方さえ覚えてしまえばなんとかなってしまうのです。

2. 短~中期の取引に向く

テクニカル分析でわかるのは、「いま相場がどのような状態にあるか」や「売買が過熱しているかどうか(買われすぎや売られすぎ)」などが主になります。

そのため、主にテクニカル分析は、短~中期的な売買でキャピタルゲインを得ようとする取引に向くと言えるでしょう。

キャピタルゲインとは?価格変動のある資産の売買によって得られる差益のこと。例えば、Aという株を100円のときに買って、120円になったときに売れば、A株の取引によって得られたキャピタルゲインは20円ということになる。

3. 分析力次第で予測の精度を上げられる

テクニカル分析は学習と経験を積み重ねれば分析力を高めることができ、予測の精度も上げることができます(これはファンダメンタルズ分析についても同じです)。

予測の精度が上がれば、より最適な損切り・利食いラインを設定できるようになれますし、勝率の上昇も期待できます。

【注意】勝率の考え方について

例えば勝率が70%の手法があったとしても、それは一回一回の取引で勝つ確率が70%という意味ではない。その手法で取引を繰り返し行ったときに、取引全体のうち70%が勝っていて、30%は負けている、という意味。

テクニカル分析の3つのデメリット

次にデメリットについて見ていきましょう。テクニカル分析にはこのようなデメリットがあります。

  • 「ダマシ」や「テクニカルが効かない」場面がある
  • 長期的な取引には向かない
  • 相場の動きと取引結果の相関関係までは分析できない

メリットのときと同じように、それぞれについて詳しく見ていきましょう。

1. 「ダマシ」や「テクニカルが効かない場面」がある

テクニカル分析によって得られる売買のサインには、いわゆる「ダマシ」とよばれるものもあります。

ダマシとは、簡単に言ってしまえば、「売買サインは”買い”を示しているのに、相場は下がっている」というような状況のことです。要するに、テクニカル分析によって得られた結果とは真逆の方向に相場が動くこともある、ということです。

また、経済指標発表や決算報告といったイベントでは、相場がそれまでの動きとは全く関係のない動きを起こすことがあります。このような状況を「テクニカルが効かない」といいます。

テクニカル分析をメインにする投資家にとって、ダマシやテクニカルが効かない場面の見極めは重要な課題の一つです。

2. 長期的な取引には向かない

例えば、取引の目的が資産の長期保有でインカムゲインを得ることだったり、数十年後に決済して老後資金に充てるためだとしたら、テクニカル分析はほとんど意味がありません。これについてはファンダメンタルズ分析の分野になってきます。

インカムゲインとは?資産の保有で得られる利子所得や権利収入のこと。具体的には不動産の家賃や株の配当金など。

ただし、「現物資産の価格変動をヘッジする目的で先物を売りたいので、少しでも有利な価格で約定させたい」という場合には、テクニカル分析は有効です。

3. 相場の動きと取引結果の相関関係までは分析できない

正しく分析して思惑どおりの方向に相場が動いたとしても、たまたまそのタイミングで大口の注文が入っただけかもしれませんし、たまたま大多数の投資家が、同じタイミングで同じ方向に注文を入れただけの可能性もあります。

そのため、正しい分析ができても負けることはありますし、分析が間違ってるのに勝ってしまうこともあります。つまり、一回一回の取引で「なぜ勝って、なぜ負けたのか」までは、テクニカル分析で突き止められないのです。

ただし、取引で勝ち続けたり負け続けたりする場合には、手法に理由を求めることができます。

テクニカル指標(インジケーター)とは?

テクニカル指標とは、投資対象の価格変動や出来高といった数値を視覚化したもので、「インジケーター」とも呼ばれます。テクニカル分析における目印、と考えればわかりやすいでしょう。

テクニカル分析の第一歩は、まずテクニカル指標の見方を覚えることから始まります。例えば、投資家なら目にしたことはないであろう「チャート」は、一種のテクニカル指標です。

テクニカル指標は単体でも効果を発揮しますが、より高レベルの分析をするために複数の指標を組み合わせることもあります。

テクニカル指標の種類

テクノロジーが進化が目覚ましい昨今、テクニカル指標も一昔前では考えられないほどたくさんの種類が生まれています。

大まかにはトレンド系やオシレーター系、ボリューム系、ビル・ウィリアムズ系などのカテゴリに分けられますが、現在テクニカル指標は、なんと何百種類もあると言われています。

また、先ほども書いたとおり、テクニカル指標は組み合わることもあるため、分析手法はもはや十人十色といえます。そのため、初心者からすれば、「一体なにから手をつければいいの?」と困惑するでしょう。

しかし、大丈夫。最低限覚えておくべきものや、代表的なものとなると少数に絞られてきますし、そういったテクニカル指標は見方もシンプルです。

まずは、一つ一つ丁寧に覚えていきましょう。

最低限知っておくべき4つのテクニカル指標

では、テクニカル指標の具体的なことについて書いていきます。

ここでは以下のテクニカル指標を紹介します。

  • チャート
  • ローソク足
  • 出来高
  • トレンドライン

この4つの指標は、テクニカル分析をしない投資家でも、ぜひ覚えておきたいものです。というより、投資をするにあたってこれらを覚えないのは、丸腰で戦争に赴くようなもので、無謀です。

基本的な指標の見方や意味についての理解を曖昧なままにせず、まずは基本から固めていきましょう!

チャート

チャートとは、過去の値動きを表したグラフのことです。

チャートをテクニカル指標と呼ぶことは少ないですが、テクニカル分析を行う上で避けて通れないものなので、ここで紹介します。下の画像は、チャートだけを表示した状態の取引画面です。

日経平均株価のチャート image by TradingView

まず、横軸は時間を表すので、チャートの左にいけばいくほど過去の値段を、右端を見れば最新の値段を確認できます。

縦軸は価格を表すので、グラフが右斜め上に伸びていたら価格が上昇していることを、右斜め下に伸びていたら価格が下落していることを示しています。

チャート単体ではかなり抽象的なことしかわかりませんが、テクニカル分析における基本中の基本でもあります。まずはチャートで大まかな相場を把握し、他の指標と組み合わせて観察することで、相場の方向性や買われすぎ・売られすぎを判断する、これがテクニカル分析の流れです。

ローソク足

ローソク足とは、四本値と呼ばれる値段で構成されるテクニカル指標で、チャートを構成する基本的な要素の一つです。

ローソク足の集合がチャートを形作る

四本値とは始値(はじめね)、終値(おわりね)、安値、高値のことを指し、それぞれこのような意味があります。

始値 ある期間における価格変動の最初の値段
終値 ある期間における価格変動の最後の値段
安値 ある期間における価格変動の中で最も安い値段
高値 ある期間における価格変動の中で最も高い値段

例えば、5分間の価格変動を記録したローソク足は「5分足」と呼ばれ、1日の価格変動を記録したローソク足は「1日足」と呼びます。また、5分足や1日足などといった一定期間の値動きを表したローソク足を、総じて時間足と呼びます。

たいていの取引画面では、どの時間足を表示するかを、自分の取引スタイルに合わせて自由に選ぶことができます。

ローソク足は、拡大してみると下の画像のような見た目をしています。”ヒゲ”と”実体”という2種類のパーツで構成され、四本値がひと目でわかる形になっているのがわかるはずです。

下の画像を見れば、よりイメージをつかみやすいです。

このローソク足は終値が始値よりも高いですが、終値が始値よりも安かった場合は下の画像のような見た目になります。

終値が始値よりも安い場合は実体の部分が塗りつぶされ、色で判別できるようになっています。なお、ローソク足の色は取引画面によって異なるので気をつけましょう。

また、価格の変動幅や変動の仕方によって、ローソク足の実体の長さやヒゲの長さも変わってくるので、形状を見るだけでもある程度優位性のある売買判断を得られます。

ローソク足の種類やそれぞれの見方については、当サイトの以下の記事が参考になります。

また、ローソク足で構成されたチャートは「ローソク足チャート」と呼び、ローソク足の並び方でも売買判断になる材料を得られます。先ほども紹介した、「酒田五法」がそれに当たりますね。

出来高(ボリューム)

出来高とは、ある期間における取引量を棒グラフで表したテクニカル指標のことで、ローソク足と同じく、チャートを構成する基本的な要素の一つです。「ボリューム」と呼ばれることもあります。

出来高は、下の画像のように、チャート画面の最下部に棒グラフとして表示されます。

出来高 画像のように別ウィンドウで表示されることもあれば、チャートと重なるように表示されることもある image by MetaTrader5

グラフの棒が長ければ取引が多かったことを、短ければ取引が少なかったことを示しています。棒の色は、前回の取引量よりも増えたのか減ったのかを示しており、緑なら前回よりも取引量が増えたことが、赤なら前回よりも減ったことがわかります。

出来高は、チャートとあわせて見ることで、トレンド(相場の方向性のこと)の開始と終了を推し量ることができます

例えば、チャートが一定の価格で動いているときに出来高が急増したときは、そのあと価格が急落したり高騰する可能性があります。また、しばらくトレンドが続いたあとに出来高が急増した場合、そのあと相場が反転したり、横ばいになる可能性があります。

トレンドライン

トレンドラインとは、チャート上に自分で引く線のことで、トレンドが発生しているかを確認するために使われるテクニカル指標です。

トレンドラインには、2種類あります。1つ目はサポートライン(支持線)で、上昇トレンドが発生しているかを確認するために引きます。

サポートラインの一例 image by MetaTrader5

上の画像のように、サポートラインは目立つ”安値”同士を結ぶように引きます。つまり、チャートの下側を支えるように書き込むわけです。

2つ目はレジスタンスライン(抵抗線)で、下降トレンドが発生しているかを確認するために引きます。

レジスタンスラインの一例 image by MetaTrader5

サポートラインの場合とは逆に、レジスタンスラインは目立つ”高値”同士を結ぶように引きます。つまり、チャートの上に書き込むということです。

トレンドラインを使って行われる人気な手法として、「値段がトレンドラインに近づいてきたら、トレンド方向に注文を入れる」というものがあります。いわゆる、押し目買い・戻り売り(詳しくは指標の解説が終わったあとに書きます)、と呼ばれる手法ですね。

トレンドラインを使ったテクニカルトレードは、初心者でもとっつきやすいと同時に、テクニカル分析における基礎が集約されてると言っても過言ではありません。なにから始めればいいのか悩んでいるなら、とりあえずトレンドラインを使ったテクニカル分析から手をつけるのがおすすめです。

トレンドラインの引き方は人によって違う!

トレンドラインは、投資家自身の判断で画面上に書き込むテクニカル指標なため、人によって引き方が異なります。

掲示板やSNSなどで、「ローソク足のヒゲに沿って引く」「いや、実体に沿って引くのが正しい」という主張が書き込まれることがありますが、それはあくまでその人にマッチしたやり方です。

他人のやり方があなたにも最適かは、実際にやってみないとわからないので、あくまで参考程度に留めておきましょう。

トレンド系のテクニカル指標

トレンド系とは、その名前が示す通り、トレンドが現在どちらに向いているかを確認するためのテクニカル指標のことです。主に順張りをしたいときに役立ちます。

順張りとは?相場の流れに合わせた取引の立ち回り方のこと。価格が上がっているときは買い、下がっていときは売る。

今回は以下3つのトレンド系指標を紹介します。

  • 移動平均線
  • 一目均衡表(いちもくきんこうひょう)
  • ボリンジャーバンド

難しそうな名前ですが、見方はそこまで難しくないので、あまり構えなくても大丈夫です。それでは紹介します。

移動平均線

移動平均線とは、ある期間の”終値”を平均化した数値を、折れ線グラフにしたテクニカル指標です。チャートはすべての値動きを逐一反映しているため、必然的にジグザグとした不規則な形になります。それに対して移動平均線は、画像のようになめらかな形になります。

移動平均線 image by MetaTrader5

移動平均線には色々と種類がありますが、ここで紹介するのは、いわゆる「単純移動平均線」と呼ばれるものになります。

まずは、移動平均線がどのような仕組みなのかを確認しましょう。

移動平均線をチャートに表示しようとすると、期間設定をするように求められますが、意味は単純です。移動平均線の期間を「5」に設定したら、5つの終値を平均化した値がグラフ化され、チャートに表示される、という仕組みになっています。

例えばローソク足を1時間足に設定していて、移動平均線の期間を「5」にしていたら、計算はこのようになります。

1時間足チャートにおける5期間移動平均線の最新の値

【終値の変動が以下だったとする】
現在:150円
1時間前:140円
2時間前:130円
3時間前:120円
4時間前:110円

【計算式】
(150 + 140 + 130 + 120 + 110)÷ 5
= 130

現在、移動平均線が示す最新の値は「130」

いかがでしょうか? 見た目は複雑かもしれませんが、計算式自体はとても単純なことがわかったはずです。

移動平均線には、大きく分けて「短期」「中期」「長期」という3つの考え方があります。例えば、長期の移動平均線は60期間、中期は25期間、短期は10期間、といった具合です。

短・中・長期の移動平均線を表示した例 青が10期間、黄色が25期間、赤が60期間 image by MetaTrader5

3本の移動平均線を使えば、相場のトレンドを確認しやすくなります。3本全ての移動平均線が上昇方向に推移しており、チャートよりも下側を動いていたら、それは強い上昇トレンドであるとみなせます。

すべての移動平均線よりもチャートが上にある典型的な上昇トレンド image by MetaTrader5

逆に3本全ての移動平均線が下落方向に推移しており、チャートよりも上側を動いていたら、強い下降トレンドであるとみなせます。

下降トレンドではチャートが移動平均線の下に割り込む image by MetaTrader5

もし、価格が横ばいの状態で、移動平均線もチャートと同じぐらいの位置を推移しているところから、以上のような動きが見られたら、トレンドが発生したサインである可能性があります。

これはあくまで型に当てはめた考えで、人によっては移動平均線を2本しか使わなかったり、4本以上表示させることもありますし、期間設定もまちまちです。

また、移動平均線を用いた有名な手法に、ゴールデンクロスデッドクロスというものがあります。

ゴールデンクロスとは、短期の移動平均線が長期の移動平均線を下から上へ抜ける動きのことで、買いのサインであると言われています。

ゴールデンクロスの例 image by MetaTrader5

デッドクロスとは、ゴールデンクロスとは逆に、短期の移動平均線が長期の移動平均線を上から下へ抜ける動きのことで、売りのサインであると言われています。

デッドクロスの例 image by MetaTrader5

ゴールデンクロスとデッドクロスについては、このあと紹介する「一目均衡表」「MACD」「ストキャスティクス」というテクニカル指標でも登場するので、ぜひ覚えておいてください。

一目均衡表(いちもくきんこうひょう)

一目均衡表とは、注文の均衡(バランス)がひと目でわかるテクニカル指標です。では実際に、一目均衡表がどんなテクニカル指標なのか、見てみましょう。

一目均衡表 image by MetaTrader5

「えっと、線がゴチャゴチャしててひと目でわかるようには見えません」

……なんて思ってませんか? まあ、そうですよね。僕も最初はそうでした。

しかし、一目均衡表はその見てくれに反してわかりやすく、見方をマスターすればテクニカルトレードで非常に役立つ指標です。先入観をできるだけ捨てて、このあとを読み進めていただければと思います。

まず、一目均衡表は、5種類の線から構成されています。画像と表を照らし合わせて、どれがどの線なのか確認してみましょう。

基準線 26期間の高値と安値の平均値の移動平均線(青い線)
転換線 9期間の高値と安値の平均値の移動平均線(赤い線)
遅行スパン 終値を26期間前に遅らせて表記した線(緑の線)
先行スパン1 基準線と転換線の平均値を26期間先に表記した線(オレンジの線)
先行スパン2 52期間の高値と安値の平均値の移動平均線を26期間先に表記した線(紫の線)

それぞれの線がどのような役割を果たしているのか、一つずつ順を追って解説しましょう。

① 基準線

基準線は、相場の大まかな方向性を示します。

チャートが基準線よりも上にあり、基準線の伸びている方向も上向きだったら、相場は上昇傾向にあると判断できます。それに対し、チャートが基準線よりも下で、基準線の方向が下向きだったら、相場が下落傾向にあると判断できます。

② 転換線

基準線と同じく、相場の大まかな方向性を示します。基準線よりも短い期間の値段で計算されるため、いち早く相場の変化を察知したいときに役立ちます。

ただし、最終的にトレンドが形成されているかを判断するときは、基準線を見て行います。

③ 遅行スパン

基準線、転換線と同じく、相場の大まかな方向性を示します。遅行スパンがローソク足よりも上にあれば相場が上昇傾向であると判断でき、逆なら下落傾向であると判断できます。

遅行スパンは、現在の終値が26期間前に書き込まれるという少し変わった線で、チャートを拡大しすぎると、全体像が見えなくなってしまうことがあります。気をつけましょう。

④ 先行スパン1・先行スパン2

先行スパン1と先行スパン2は、線そのものというより、線と線同士が作り出す雲のような形に注目します。

先行スパン1と先行スパン2の間は、色で塗りつぶされるのですが、この部分を「抵抗帯」、あるいは「雲」と呼びます(本記事では「雲」で呼び方を統一)。

雲は、過去の値動きが現在の値動きに対して、どの程度の影響を与えるかを示します。

例えば、雲が厚ければ厚いほど、チャートがそこを突破するのは難しく、逆に言えば、一度突破してしまえば強いトレンドになると判断できます。


これら5つの線の特徴を活かして売買サインを見つける人気な手法に、「三役好転」と「三役逆転」があります。

まず三役好転とは、一目均衡表とチャートが以下のような動きを順番に見せた場合、トレンドは上昇していると判断することです。

  1. 転換線が基準線を下から上へ抜ける
  2. チャートが遅行スパンを下から上へ抜ける
  3. チャートが雲を下から上へ抜ける

移動平均線で紹介した「ゴールデンクロス」に似ていますね。

一方、三役逆転は、一目均衡表とチャートが以下のような動きを順番に見せた場合、トレンドが下降していると判断することで、「デッドクロス」に似ています。

  1. 転換線が基準線を上から下へ抜ける
  2. チャートが遅行スパンを上から下へ抜ける
  3. チャートが雲を上から下へ抜ける

三役好転と三役逆転はともに、線のクロスを3つ確認することがポイントになってくるわけです。簡単で、シンプルですね。「均衡がひと目でわかる」というのが、強ち間違いではなさそうだと思いませんか?

今回の一目均衡表の紹介はこれで終わりますが、書ききれなかったことがたくさんあるため、これが一目均衡表の全てだとは思わないようにしてくださいね。

一目均衡表は他のテクニカル指標と比べて奥が深く、正しい意味や使い方を知っている人は、ほんのわずかと言われています。もし、一目均衡表の正しい使い方を学んでいたいのであれば、一目均衡表を発明した人物、故・一目山人氏の書籍を読んでみるのがおすすめです。

一目均衡表 原著|一目均衡表 公式ホームページ(他サイトへ遷移します)

ボリンジャーバンド

ボリンジャーバンドとは、移動平均線に「確率」の考え方を取り込んだテクニカル指標のことです。ボリンジャーバンドは下の画像のように、複数本の移動平均線から成る”帯”のような見た目をしています。

ボリンジャーバンド image by MetaTrader5

まず、真ん中の青い線は「σ(シグマ)」と呼び、これ自体は単なる移動平均線です。σの上下にある青い線は「±1σ(プラスマイナス1シグマ)」と呼び、黄色い線は「±2σ」、赤い線は「±3σ」と言います。

それぞれの線は、価格変動がその中で収まる確率を示しています。具体的な数字は以下の通りです。

±1σ 68.26%
±2σ 95.44%
±3σ 99.73%

例えば、ボリンジャーバンドの幅が広がっているときは、価格の変動率が高い状態であることを、それとは反対に狭まっているときは、価格の変動率が低い状態を示します。

相場が横ばいのときは幅が狭いが、相場が動くと幅が広がる image by MetaTrader5

そのため、トレンドがない状態でバンドの幅が広がり始めたら、相場が大きく動くかもしれないサインといえます。バンドの広がり始めが確認できたなら、価格変動の方向を見てから注文を入れる、という順張り戦略が可能です。

また、チャートが±3σよりも外側に突き抜ける確率は0.27%ですが、実際にそのような状況があった場合、「あまりにも過熱しているので、そのうちσに戻ってくるだろう」と考えられるので、逆張り的な戦略も可能です。

オシレーター系の指標

オシレーター系とは、相場の過熱感(買われすぎ、売られすぎ)を確認するためのテクニカル指標のことです。トレンド系とは逆に、逆張りをしたいときに役立ちます。

逆張りとは?相場の流れに反した取引の立ち回り方のこと。価格が上がっているときは売り、下がっていときは買う。

オシレーター系指標の代表的なものは、以下の3つがあります。

  • MACD(エムエーシーディー、マックディー)
  • RSI
  • ストキャスティクス

今度はアルファベットも登場して一層難しそうに見えますね。でも、大丈夫。トレンド系のテクニカル指標と同じく見掛け倒しで、実は全然簡単です。

MACD(エムエーシーディー、マックディー)

MACDとは、先ほど紹介した移動平均線の考えに基づいて、更に改良を加えたテクニカル指標です。MACDは、「MACD」という指標の同じ名前で呼ばれるグラフ(今後、MACD線と記述)と、「シグナル」と呼ばれるグラフの2種類で成り立ちます。

MACD image by MetaTrader5

グレーの棒グラフの方がMACD線で、黄色い折れ線グラフの方がシグナルです(MACDは折れ線グラフのこともあります)。

基本的にMACDは、移動平均線でも紹介した「ゴールデンクロス」と「デッドクロス」の発見に使います。

MACD線がシグナルを下から上へ抜ければゴールデンクロスで……、

MACDのゴールデンクロス image by MetaTrader5

逆ならデッドクロスとなります。

MACDのデッドクロス image by MetaTrader5

単純移動平均線を使うよりも、MACDの方が早くクロスの発見できると言われていますが、その分、見方を誤ればダマシにあうことも多いです。

ダマシにあう回数を減らすめには、MACDのゼロラインに注目しましょう。

MACD右端に0.0と書かれているのがわかると思いますが、そこを中心にMACD線が上下に伸びていますよね? そのラインがゼロラインです。

MACDのゼロライン image by MetaTrader5

ゴールデンクロスがゼロラインよりも下なら更に信頼度が高く、デッドクロスの場合はゼロラインより上の方で起こった場合に信頼度が高いと言われています。

RSI

RSIとは、ある一定期間の価格変動幅を参考に、相場の過熱感を視覚化したテクニカル指標です。上昇した期間が多ければRSIの値は高くなり、下落した期間が多ければRSIの値は低くなります。

上の画像のように、RSIは一本の折れ線グラフで表示されますが、よく見ると上下に破線があることがわかると思います。グラフが上の破線を抜ければ買われすぎ、下の破線を抜ければ売られすぎと判断できます。

RSIが上の破線を抜けた例 上の破線を越えたら買われすぎ。その後相場が下落する可能性を示唆する image by MetaTrader5
RSIが下の破線を抜けた例 下の破線を越えたら売られすぎ。その後相場が上昇する可能性を示唆する image by MetaTrader5

しかしRSIは、相場が乱高下しているときや、一方向へ急激な変動を起こした場合などにはあまり機能せず、値動きが一定の幅で落ち着いてるときに使えるテクニカル指標となります。

また、価格の変動幅は投資対象によって異なるので、上下のラインの設定にも気を配る必要があります。

ストキャスティクス

ストキャスティクスとは、RSIと同じく、一定期間の価格変動幅を参考に相場の過熱感を視覚化したテクニカル指標です。RSIと違うのは、ストキャスティクスは価格変動幅を示すグラフだけでなく、それに対する移動平均線も表示されるため、より複合的な売買サインを確認できることです。

ストキャスティクス image by MetaTrader5

2本の線は、青い方を「%K」、赤い方を「%D」と呼びます。

また、ストキャスティクスには、RSIと同じような上下の破線があることもわかると思います。つまり、それぞれの破線を抜ければ買われ過ぎ、売られ過ぎを判断できます。

それだけでなく、破線を越えた先でゴールデンクロスとデッドクロスが起これば、より強い売買サインとみなすことができます。

%Kが%Dを下から上へ抜けたらゴールデンクロスとなり、%Kが%Dを上から下へ抜ければデッドクロスとなります。

ストキャスティクスのゴールデンクロス image by MetaTrader5
ストキャスティクスのデッドクロス image by MetaTrader5

ただし、相場が落ち着いているときに有効なことや、投資対象によって上下のラインが効果的な位置は変わってくる点などは、RSIと共通しています。ストキャスティクスとRSIを使うときは、他の指標を併用して分析精度を補強してあげる必要があります。


トレンド系とオシレーター系の指標を組み合わせれば、トレードの基本的な手法である、押し目買い戻り売りで上手に立ち回れるようになります。

押し目買いと戻り売りとは?例えば、上昇トレンドは「上がっては少し下がり、また上がっては少し下がり」という動きを見せることが多い。

押し目買いとは、その少し下がったときの値段を狙って買いを入れ、利ざやを稼ぐ手法のこと。戻り売りはその逆で、下降トレンドにおいて、少し高くなったときの値段を狙って売りを入れる手法のこと。

トレンド系で相場の方向性を分析し、次にオシレーター系で過熱感を見れば、トレンド中に発生した押し目や戻りをハッキリ確認できるようになります。ここまでできるようになれば、あなたは立派なテクニカルトレーダーです。

複雑なことは、とりあえず押し目買いと戻り売りができるようになってから考えてみるのでも、遅くはありません。そのためにどの指標を選ぶのか、指標をどのように使うのか、複数の指標をどう組み合わせるかは、あなた自身で試行錯誤してみてください。

なお、人によってはトレンド系指標をオシレーター系指標のように使い、その逆の場合もあります。今回それぞれの指標で解説した見方や使い方は、あくまで代表的な例なので鵜呑みは厳禁です。ものごとを色んな角度で観察できる目も、トレーダーにとって重要なスキルですよ。

テクニカル分析をより深く、体系的に学ぶ方法は?

使う指標の選別や組み合わせの検証といった作業、つまりテクニカル手法の確立を早い段階から効率よく進めていくには、とにかく情報を集めて学習し、それと同時に、実践を通して感覚を掴むのがよいでしょう。

テクニカル分析をもっと深く、体系的に学ぶには、こちらの『先物市場のテクニカル分析』という本がおすすめです。

先物市場のテクニカル分析 先物市場とあるが、テクニカル分析の内容がメイン

この本にはとにかくテクニカル分析の全てが凝縮されており、テクニカルトレーダーの間では名著と言われています。

また、テクニカル分析を実践してみたいなら、メタトレーダーと呼ばれるトレードツールを使ったデモトレード(リアルマネーを使わない取引)がおすすめです。

メタトレーダーには42種類のテクニカル指標が標準で入っており、初心者であれば実践の場としては十分です。安心してまだ取引をしたことがないのであれば、ぜひ、今すぐメタトレーダーをダウンロードしてみましょう。

MetaTrader 4|外国為替取引とテクニカル分析のためのプラットフォーム(他サイトに遷移します)

テクニカル分析を使った大まかな取引の流れと、脱トレーダー初心者における重要なポイント

テクニカル分析の手法は人によって異なりますが、大まかな流れはほぼ共通しています。

  1. 取引画面を開き、チャートを見る
  2. テクニカル指標を用いて、トレンドがあるか取引が過熱しているかを分析する
  3. 分析によって押し目や戻り、トレンドの発生や反転などが見られたら自分の望む方向に新規注文を入れる(上がると思ったなら買い注文を入れ、下がると思ったなら売り注文を入れる)
  4. 反対注文を入れて利益か損失を確定する

脱テクニカルトレーダー初心者においては、特に損失の確定、つまり損切りを上手にできるかどうかが重要なポイントです。「テクニカルの勉強じゃないの?」と思うかもしれませんが、まあ聞いてください。

投資の世界には、「利益は伸ばし、損切りは早く」という格言があります。すでにトレードを経験している人はわかると思いますが、単純な言葉なのに、実際にやってみるとこれがなかなか言葉通りにいきません。

損切りを早くするためには、テクニカル分析とは別に、資金管理のノウハウや自分のリスク許容度を知る必要があります。

今回はテクニカル分析が主旨なので、資金管理やリスク許容度については深堀りしません。しかし、トレードで利益を上げるための土台作りは、テクニカル分析よりも資金管理やリスク許容度の方が重要といっても過言ではないのです。

まだ、資金管理のノウハウや自分のリスク許容度が曖昧な人は、次はぜひ資金管理について学んでみてくださいね。

まとめ

結構長くなってしまいましたね。最後まで読んでいただいてありがとうございます。そして、お疲れ様です。今回の記事が、あなたのテクニカルトレーダー人生の助けになれば幸いです。

それにしても、こんなに長い記事を最後まで読めるということは、少なくともあなたにはトレーダーに必要とされる素質を十分に持ってると思います。

正直言って、この程度の文章量で学習を挫折してしまう人では、トレードに向いてないでしょう。僕の好きな言葉に「トレードは楽なお金稼ぎの中で一番難しい」という名言があるのですが、それはまさにそうです。

「上がると思ったら買って、下がると思ったら売る」という誰でも理解できる単純な仕組みのに、安定して稼ぎ続けるとなると、誰でもはできません。

相場という不確実なものを相手取って稼ぐには、誰よりも頑張らなければいけないし、稼げない人が越えられない壁を越える必要があります。

しかし、個人的な意見では、医師免許などといった国家資格を取るよりもトレードでの稼ぎを安定させる方が簡単だと思っています。

医師免許は取るのに6年かかり、費用は3,000万円以上もかかってきます。それに対してトレードなら、6年もあれば間違いなくプロと呼べるほどに成長できますし(真面目にやった場合)、最初の資金が5万円もあれば、ゆくゆくは医師と同じかそれ以上の収入を得ることもできます。

しかも、医者は働かなければいけない時間が決まってて常に忙しいのに対し、トレーダーは好きなときに働けます。

もし、テクニカル分析の手法確立で行き詰まった、独学では間違った情報を信じてしまわないか不安がある、という人は当サイトで紹介したことがある「トレーダーズジム」という株トレーダーコミュニティがおすすめですよ。

トレーダーズジムの詳細は、こちらの記事でチェックしてください。

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