「株価指数」とは? いまさら聞けない「日経平均株価」や「NYダウ」

こんにちは! 株識編集部の前田です。

最近、フランス大統領選のマクロン氏当選や、アメリカ大統領トランプ氏の不祥事など、世間を賑わせる国際ニュースが多いですよね。伴って市場も大きな反応を見せており、日経平均株価は2万円にギリギリ届かないところで上がったり下がったりを繰り返しています。

そういった事件があるないに関わらず、各メディアは毎日のように「日経平均3日ぶり反発」「NYダウ横ばいで終了」などの経済ニュースを報道していますが、「実は日経平均とかよく分かんない」っていう人は意外にいると思います。

今回は、そういった株価指数のことがよく分からない人に向け、株価指数とはなんなのかを解説していきます。日経平均株価の変動である程度日本の景気の動向を知ることができますし、どんな人でも株価指数のことを詳しく知っておいて損はないでしょう。

株価指数とは?

株価指数とは複数の株価によって成り立っています。株式単体で見た場合、その株を買いたい人が多ければ株価は上がりますし、逆に売りたい人が多ければ株価は下がっていきますよね? こういった株式市場の動きを、より大局的に見られるのが株価指数です。

日本で最も代表的な株価指数である日経平均株価は、東証一部に上場している約2,000社の中から、より取引が活発に行われている225社の株価で構成されています。このような株価指数は景気の良し悪しを反映されるので、ニュースでも活発に用いられます。

しかし、指数が上がっているから景気が良いのかと問われると、一概にそうとは言えないことも少なくありません。

例えば、株価指数そのものは上昇しているのに、構成銘柄のほとんどは株価が下がっているという場合もありえるわけですが、その理由には株価指数の算出方法が一枚噛んでいます。

株価指数の算出方法

株価指数には以下3つの算出方法があります。漢字がたくさん並んでいて難しそうに見えるかもしれませんが、分かりやすく解説するので安心して下さい。

  1. 株価平均型株価指数
  2. 時価総額加重平均型株価指数
  3. 浮動株基準株価指数

株価平均型株価指数

株価平均型株価指数は「ダウ式平均株価指数」とも呼ばれ、この方法で算出される代表的な株価指数として「日経平均株価」や「NYダウ」などが挙げられます。株価を平均化して指数を算出するので、値がさ株の価格変動による影響を受けやすい、という性質があります。

値がさ株とは?一株あたりの値段が高い株式のこと。「株価がいくら以上から値がさ株」と言うような明確な定義はなく、その時々によって水準が変わる。

そのため「日経平均の調子は良いのに持ってる株の値段が上がらない……」なんていうときは、ただ単に値がさ株の値段が上昇してるだけで、その他の株はそうでもない、なんてことがありえるわけです。

算出方法

株価平均型株価指数は、構成銘柄の株価を合計して特殊な除数で割ることで算出します。式にすると「構成銘柄の株価合計 ÷ 除数 = 株価指数」となります。

「除数ってつまり構成銘柄の数でしょ?平均化するんだから」と思われるかもしれませんが、実はこの除数について、少々複雑な事情があるのです。

架空の株価指数を例に見てみましょう。あるところにA社とB社とC社という3つの会社があり、株価はそれぞれ順番に3,000円、4,500円、6,000円です。これらの数値をただ単に平均化するなら以下のような計算になり、株価指数は4,500円であると算出されます。

(3,000 + 4,500 + 6,000)÷ 3 = 4,500

このように、単に平均化して算出される株価指数も確かにあります。ただ、銘柄数で平均化するだけだと不都合が生じることもあります。例えば、C社の株式が4分割され、株価が6,000円から1,500円になった場合、3社の株価を平均化すると以下のようになります。

(3,000 + 4,500 + 1,500)÷ 3 = 3,000

株価指数が4,500円から3,000円に下がってしまいましたね。「そりゃそうだろ」と思うかもしれませんが、このままじゃダメなんです。なぜならC社株価の値下がりはあくまで株式分割によるものだからです。

業績悪化による値下がりで株価指数も下がるなら意味は通じます。ただ、株式分割による値下がりであって、企業の業績や景気などは全く関係ないにも関わらず、指数まで下がってしまうと、指数の意味が通じなくなってしまいますよね。

では株式分割によって株価が下がっても、株価指数を維持するにはどうすれば良いのでしょうか?

C社株式分割後の3社の株価を合計すると(3,000 + 4,500 + 1,500)で9,000円になります。これまで通り3で割ってしまうと株式指数は3,000円になってしまいますから、元の4,500円を維持するために、割る数を変えてしまいましょう

ここでは9,000円から4,500円を導き出せばいいので、2で割ればいい、ということになります。

このように、株価が特殊な変化をしたときに修正するための除数を、特に恒常除数と言います。

株価平均型株価指数は、先述の株式分割の他、株式併合や採用銘柄の入れ替えがある度に恒常除数の数値を随時修正して、指数を維持しています。ちなみに記事執筆時点(2017年5月21日)での日経平均株価の恒常除数は26.301です。

時価総額加重平均型株価指数

時価総額加重平均型株価指数は時価総額によって算出される指数です。株価ではなく、時価総額によって算出されているため、株価平均型株価指数が持つ「値がさ株の株価に影響されやすい問題」が解消されています。

しかし、時価総額に比重を置いて算出するため、発行株式数が多い大型株の影響を受けやすいという性質があります。なので多くの構成銘柄の株価が下がったとしても、大型株の株価が上がっているなら指数も上昇するという可能性もありえます。

大型株とは?時価総額が高い企業の株のこと。値がさ株と同じように「時価総額いくら以上から大型」という明確な定義はない。

算出方法

時価総額加重平均型株価指数は、ある時点での時価総額合計を基準にして、現在の時価総額合計を比較することで算出されます。ただ単に時価総額を指数にすると数字が膨大なことになるので、基準を100だとか1,000だとかの分かりやすい数字に置き換え、これをスタート時の株価指数にします。

計算式にすると「現在の時価総額合計 ÷ 基準となる時価総額合計 × 基準値 = 株価指数」となります。

架空の株価指数を例に見てみましょう。とある証券取引所に上場している銘柄から、時価総額加重平均型株価指数を算出することにしました。この時点での構成銘柄の時価総額合計は1,000,000円で、今回は基準値を100とします。

時間が経って構成銘柄の時価総額は1,500,000円になりました。この場合の株価指数は、基準となる時価総額に対して現在の時価総額は1.5倍なので、同時に株価指数も1.5倍の150となります。計算式は以下の通りです。

1,500,000 ÷ 1,000,000 × 100 = 150

このように、時価総額加重平均型株価指数はある基準値を元に現在の株価指数が算出されます。ちなみに東証一部上場の銘柄で構成されているTOPIXは、例に出したのと同じく、スタート時の株価指数を100としています。

浮動株基準株価指数

浮動株基準株価指数は、浮動株のみを対象に算出される株価指数です。算出方法自体は時価総額加重平均型と同一なのですが、浮動株のみを対象に算出するので、大型株の変化による影響を受けやすいという問題を解決しています。

浮動株とは?株式の中でも市場に流通する可能性が高く、一般の投資家に出回りやすいものを指す。逆に、企業の役員が大量に保有しているような、市場に出回る可能性が低い株式は「固定株」や「特殊株」などと呼ばれる。

最近、信託銀行や保険会社などの機関投資家がリスクヘッジの手段として、株価指数を基準にインデックス投資をすることが多くなりました。このような運用の場合、株価指数に連動して、機械的に売買する銘柄の数量が決まります。

リスクヘッジのためのインデックス投資とは?資金を一つの銘柄に全て突っ込むのではなく、複数の銘柄に分けたほうがリスクが分散できる。そのような分散投資をインデックス投資と言い、リスクヘッジの手段として用いられる。

そのため、浮動株も固定株も関係なく採用された株価指数を基準としていたら、浮動株が占める割合が低い株式であろうと高い株式であろうと、同様の売買が行われるということになります。

これはつまり、発行株式数は多いが市場にはほとんど流通していない銘柄でも大量の注文がなされることを示しており、その結果、過剰な株価上昇を引き起こすという市場の歪みを生みます。

この問題から、様々な株価指数が浮動株基準化を進めており、TOPIXもその一つです。

各国の主要な株価指数6つ

この項では各国の株価指数を紹介します。もちろん、紹介する以外にもたくさんの株価指数があるのですが、今回は主要な株価指数6つに絞ってみました。

日本の株価指数

日経平均株価

日経平均株価は東証一部上場の約2000銘柄のうち、より取引が活発な225銘柄の株価を平均化することで算出される株価平均型株価指数です。

単純に「日本の株価が上昇した」などのニュースは、この日経平均株価のことを指して言っていることが多いくらい馴染みは深く、日本に住む人なら誰もが耳にしたことがあると思います。

日経平均株価が開始された当初の1950年は東証が算出していましたが、1970年から日本経済新聞社に算出が引き継がれ、知的財産権を保有しているのも日本経済新聞社です。

TOPIX

TOPIXは「Tokyo Stock Price Index」の略で、東証株価指数とも言います。東証一部上場の全銘柄を対象にした浮動株基準株価指数です。日経平均株価と並んで普及している株価指数で、1969年から東証が算出しています。

日経平均株価と並んで、TOPIXは日本の景気を推し量るのに重要な株価指数とされています。しかし、TOPIXの方は東証一部上場の全銘柄を対象にしていることから、日経平均株価よりも日本株全体の動向が掴みやすいです。

景気を知るなら日経平均株価、市場を知るならTOPIXと言った感じでしょう。

アメリカの株価指数

NYダウ

NYダウは、アメリカの新聞社であるダウ・ジョーンズが30の優良株を選定し、それらの株価を元に算出した株価平均型株価指数です。NYダウもよく経済ニュースで使われる株価指数なので、聞き覚えがあるという方も多いでしょう。

採用銘柄はディズニー、アップル、マクドナルドなどのそうそうたるメンバーが名を連ねています。特にNYダウに採用されているようなアメリカの優良株は、40年間連続で配当金を増やすなど、日本の優良株ではありえないような連続増配をすることもあります。

S&P500

S&P500は、債券の格付機関としても有名なスタンダード&プアーズが算出している時価総額加重平均型株価指数です。アメリカを代表する500銘柄で構成されています。

アメリカ株式市場の時価総額を8割近くカバーしているので、アメリカ株式市場の動向を知るためには最良の指数であるとも言われています。

その他の国の株価指数

FTSE100

FTSE100はイギリスのフィナンシャルタイムズ社が算出している浮動株基準株価指数で、ロンドン証券取引所に上場している銘柄のうち、時価総額が上位100の銘柄が採用されています。

世界的にも注目が高いヨーロッパの株価指数であり、採用銘柄はバーバリー、グラクソ・スミスクライン、ブリティッシュ・アメリカン・タバコなど、誰もが知っているような企業が多く含まれています。

HSI

HSIは中国の株価指数で、正しくは香港ハンセン株価指数と言います。香港証券取引所に上場している株のうち、より流動性が高い50銘柄で構成されており、構成銘柄の時価総額で香港市場の7割近くをカバーします。

HSIが生まれた当初はほとんどが香港の企業で占められていましたが、現在では構成銘柄の半分以上が香港の企業でない中国企業で占められています。この事実だけで考えても、中国全体がどれだけ経済的に成長したかが垣間見えますね。

香港は中国において国際的な窓口であると見られていることも相まって、HSIはアジアの株価指数の中でも重要であると位置づけられています。

まとめ

今回は株価指数について解説しましたが、これまでに漢字の羅列のような単語や難しい計算式が出てきて戸惑った部分もあるかもしれません。

「要するに株価指数には色んな算出方法や銘柄の選定方法があって、それぞれ性質が違うんだな」ということが分かって頂ければ十分です。

更に言えば、株価指数は景気を表すとはいえ、一部の株の値動きに左右されやすい算出方法がある点に注意しなければいけない、ということも分かって頂けると幸いです。

仕組みさえしっかり分かっていれば、「日経平均急落!」なんていうニュースを目にした時、「ああ日本は景気が悪いなあ」ではなく「どうしてだろう?値がさ株の影響かな?」と具体的な疑問を抱くことができますし、ファンダメンタルズ分析的に大きく役立つはずです。

そしてなんといっても株価指数への投資は、つまりインデックス投資に繋がるので、リスクヘッジの手段としてとても魅力的であるということ。もちろん、これから急成長しそうな個別銘柄に集中投資するのもロマンがあって良いのですが、そのような割安株には危険もつきものです。

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